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Introduction

Fig.1 サーボ系の構成例と制御性能劣化要因Fig.1 サーボ系の構成例と制御性能劣化要因前田研究室では,電子部品加工機や半導体製造・検査装置などの超高速・高精度位置決め制御から,乗用・物流用移動体などの快適性・機能性向上のための姿勢・制振制御まで,多様な制御対象に対するモーションコントロール(運動制御)の研究・開発を行っています。特に「振動抑制制御」にポイントを置いており,「シンプルで、扱いやすく、高性能な」新しい制御技術の創出によって,産業界における様々な課題解決に貢献していきます。

シンプルで・扱いやすく・高性能な制御技術を目指して「システム同定・モデリング」「コントローラ設計」「コントローラ調整・適応」という3つの設計プロセスに着目し①各プロセスを支える要素技術の追及②全プロセスを完全自動化するための横断的技術の創出に注力しています(Fig. 2)。

①は高速性・高精度性というモーションコントロールの普遍的性能指標を各プロセスの本質(勘どころ)をおさえて極限まで追求することに集約されます。制御理論測定・解析技術最適化アルゴリズム信号処理など多角的なアプローチによる要素技術の深掘りを行っていますが「シンプルで・扱いやすく」のための工夫も同時に考慮して研究を推進しています。

一方②はモーションコントロールの新展開を目指した研究です。高性能モーションコントロールは我が国が世界をリードする研究分野の一つですが高度な知識・技術を必要とするため時間的・人的コストの観点から産業界に広く普及・実装されているとは言えません。また将来に目を向けると2050年には生産年齢人口(15~64歳)が約5000万人(現状の65%程度)まで減少する見込みであるため少ない労力でいかに生産性を高めるかがより一層重要となります。そこで技術立国として革新的な技術の創出を持続・加速するために全設計プロセスをシームレスに実行し、かつ相乗効果を生み出すという特徴をもった次世代自動制御設計技術の創出を目指しています。各プロセスの橋渡しを担う横断的技術が鍵となり①と並行して自動化を見据えた技術を探求しています。


Fig.2 高性能モーションコントロールの実現に向けた研究戦略Fig.2 高性能モーションコントロールの実現に向けた研究戦略